人が腹をくくって生きる、とはどういうことか。
ドイツへ行って6年の妹から学んだこと。
ドイツへ行ってから、ドンドンたくましくなっている妹。
日本にいた頃とは全く違う。
ドイツでは思い通りにいかないことが多すぎるから、もう、あきらめるしかないのだ。
いろいろなことを、「見て見ぬフリ」することを覚えていった妹。
妹曰はく、それは自分の性格によるもの、だという。
人によっては、怒り狂ったり、言語を覚えて張り合えるようしたりする人もいるそうだけど、妹の性格には「見て見ぬフリ」が合っていたよう。
入院した時のこと。
手術をして部屋に戻った後の服が、なんと、お尻が丸出し服だった!
相部屋なのに!!
丸出しというか、日本は前開きだが、ドイツは後ろ開きなのだ。
少しは重なっている生地になってるのだけれど、歩いてたらどうしてもお尻が勝手に出てきちゃう。
日本だと着物のような手術着だと思うが、前を開いて着るものだから自分で見えるはず。
ドイツの場合、後ろ開きだから自分からは見えないのだ。
トイレするのには便利だけど、人の目がどうしても気になる。
みんなお尻丸出しで、部屋の中を行き来し、トイレに行ったりするのだ。
しかも、初対面の人ばっかりなのに!
お尻丸出しで、こんにちは~!だ。ひー!!
妹が術後で苦しむ中、妹の旦那さんはその姿の妻を見て、ギャハハハ!と笑いまくっていたそうな。(外人気質の日本人。)
しかしなぜに、お尻丸出しスタイル?お尻を手術したわけではないのに。
(↑これはある日の病院の朝食。フルーツがあるだけマシだという。夜も同じメニュー。動画見ながら電話してた時に撮った写真ですみません。)
またある日、入院した時のこと。
今度は妹は手術がない入院だったので、お尻丸出し服ではなかった。
ホッ。
でも、相部屋の隣の人がまたお尻丸出し服!しかも、お尻の手術では無さそうだ。
なぜにお尻丸出し?!
そして、日本人。同じ日本人として、同情します…。
ドイツでは、前開き、という概念がなさそうだという。そういえば、ワンピースも後ろ開き。日本はきもの文化だから、前開きなのだろうか。
ちなみにこういう話のイギリスバージョンを読みたい方は、イギリス毒舌日記という本がおもしろかったです。
イギリスも似たりよったり。
わたしのお気に入り、cafe upeさんでおススメされた本で、お店で読みながらクククッと笑ってしまった。
イギリス在住経験のあるウペさん一家がおススメする、イギリスあるあるネタ満載だそう。
私は行くたびに毎回チョコチョコ読ませてもらってて、読むのが楽しみになってます。
ごめんよ、いもうと。姉はこんなランチをして。気分転換なのじゃよ。。。
話は戻って、ドイツ話。
別の日、新しく隣人がやって来た。
急患で入って来た為、夜中に相当苦しんでいた。看護婦さんも行ったり来たり。妹も寝付けなかった。
あくる日、その人は明るく挨拶をして、初めてしゃべった。昨日ごめんなさいね~うるさくって。それで、スイス人だと分かったり、もう今日帰ると分かったり。
そして、「チュース!」と言って帰って行った。その日にスイスへ帰ると言う。
本当にもう帰ってだいじょうぶなのか?!昨日の夜中じゅう、あんなに苦しんでいたのに?!
またある時は、けっこうな大手術をしたおばあちゃんが、次の日はしっかりとメイクをしていて、びっくりしたそうな。妹よりひどい手術だったに違いないそうな。そして一日中、電話をしまくるという。しかもかなりの大声で。
妹は以前に、手術を1泊2日で帰宅させられそうになり、ありえない!痛すぎて帰れない!と訴え、二泊三日に延ばしてもらったことがある。
ドイツ人は痛みに強いのか??
ほかにも、採血の度に逆流して血が飛び散って、シーツについてもそのままだったり。
日本なら採血の度に流血しないし、したとしてもシーツは替えてくれるだろうな。
日本ではありえないことだらけ。
そんな国に住む妹。
最初は泣きごとを言っていたけれど、7年もそれでは生きていられない。
ここで生きていくんだ。
そう腹にくくった妹は、今は、何か起こる度に、「また笑えることがあったよー!」と報告してくるようになった。
私には笑えない話なんですけどぉ~~。
妹は、泣いて、怒って、疲れて…
受け入れて、笑いの域に達したのだ!
すごいぞ、妹よ~~!!
今では、「私は6年も住んできたんだよ。大丈夫だよ!」と言う。
私はお姉ちゃんだから、涙が出る。くぅ〜〜。
よくがんばっておるのぅ〜〜!!!
海外で暮らす日本人の方々、わたしは本当に尊敬します。。。
もちろん、海外の素晴らしさも、たくさんたくさんある。
それについてはまた書きます。
けど、日本の細や~かなサービスは、日本にしかないんだろうな。
そんな国で育った日本人が海外で暮らすのは、生半可なことじゃない。
立派だなぁ!
フレーフレー!海外に住む日本人さん!!!
そして、腹をくくって生きる、という意味では、どこに住んでいても、同じこと。
日本に住むわたしだって、腹をくくって日本で生きていかねば。
未来はわからない。けど、今、ここを生きていく。
泣きながらでも、笑えれば、
生きていけるんだ。